EV(電気自動車)を大型の蓄電池へと変えるV2H機器。上手く使えば、光熱費の大幅な節約につながるため、EV(電気自動車)の普及と共に注目を集めています。「購入したものの、家の条件に合わなかったため使いこなせなかった」とならないよう、ここではV2H機器を選ぶ視点をご紹介します。
V2H機器選びの7つの視点
V2H機器は、メーカーや製品によってスペックが異なるもの。家庭にあったV2H機器を考える上で、考えておきたい7つの視点を紹介します。
1. サイズ感
自宅の駐車場に設置しても自動車を停めるスペースがしっかり確保できるかどうか、予め駐車スペースと自動車のサイズを測り、導入した際に充電ケーブルが自動車の給電口に届くかなどのシミュレーションを行うことをおすすめします。最近では小型の電気自動車の種類が増えてきているので組み合わせの選択肢も広がりました。
2. 価格
V2H機器の本体価格は約40万円~300万円程度と幅が大きく、自治体によっては補助金が出るので、半額程度の費用で購入できるところもあります。また、本体価格とは別途工事費が必要になりますが、その費用は家の状態や電気の配線などによって異なります。
3. 停電時電力供給タイプ
停電時の電気の使い方によって、タイプを選ぶ必要があります。
タイプは2種類、「特定負荷型」と「全負荷型」があり、特定負荷型は停電時に使いたい回路を予め決めておき、工事の際に指定します。停電が起きた時はその回路のみで電気自動車の電気を使用することになりますが、200V製品は使えないので200vエアコンやIHクッキングヒーター、エコキュートなどは停電時には使用できません。回路にコンセントが含まれていれば延長コードで使いたい場所まで引っ張る必要があります。
一方で全負荷型は家全体の回路をカバーしているので延長コードを利用する必要がありません。停電時は家のコンセントもそのまま利用することが出来ますが、プラグが差しっぱなしの家電があると待機電力が掛かってしまうため、利用しない家電はプラグを抜いておく必要があります。
停電時にどの程度まで生活できるようにするかをイメージしながら検討してみましょう。
4. 保証
メーカーによって保証期間が異なります。内容や期間をしっかり確認しておきましょう。
5. 太陽光発電との接続の可否
V2H機器と太陽光発電システムを連携させて、EV(電気自動車)を蓄電池のように使用すれば光熱費の大幅な節約につながります。既に太陽光発電システムを導入していたり、設置を検討している家庭は、V2H機器が上手く連携できるかどうか電気を主に使用する時間帯や検討することをおすすめします。
6. 非・系統連系
家庭で使用できる電力は、電力会社から供給される系統電力、EV(蓄電池)に蓄えられた電力、太陽光発電による電力の3種類。V2H機器によっては、同時に1つの電力しか使えない構造になっている「非・系統連系」と呼ばれる製品と、上記の3つの電力を同時に使える「系統連系」と呼ばれる製品があります。通常時・停電時問わず太陽光発電システムからEV(電気自動車)への充電ができる、停電時に使える電力容量が大きいといった点で、後者の方が使い勝手はいいと言えるでしょう。
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7. 操作パネル
V2H導入をしてからは普段操作をすることはないですが、停電時には自動では切り替わらないため切り替え操作が必要になります。
操作パネルを家の中に設置できる製品もあれば、操作パネルが屋外のV2H本体機器についている製品もあります。
台風が来ている時に停電してしまった場合、危険な屋外に出て切替操作をしなければならないものもあるので停電時の操作方法と操作パネルの場所も導入を検討する際に考慮しましょう。
まとめ
V2H機器は、駐車スペースや太陽光発電システムとの連携など、家庭との相性が大切な製品。「自分の家にはどんなメーカー・製品が合っているのだろう」と気になった方は、他ページで紹介している具体的なメーカー紹介をご覧いただいたり、省エネドットコムまでお問い合わせいただければと思います。