「月々の光熱費の負担を軽減できる」という太陽光発電のメリットは、たしかに家庭にとっては魅力的ですよね。その一方で、「本当にお得なの?」「どんな出費があるの?」と気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで、今回は製品の寿命や、設置後に必要な点検についてご紹介します。
丈夫で長寿命の太陽電池モジュール
太陽光発電には欠かせないパーツ、太陽電池モジュール。故障や寿命のため、頻繁に取り替えなければならなくなったら大変そうですよね。でも、ご安心ください。一般的な太陽電池モジュールを構成するシリコンは、半永久的に稼働すると言われています。また、表面は強化ガラスでカバーされているので腐食することはありません。さらに可動部分や振動する箇所がなく、故障のリスクがとても低い長寿命の製品なんです。
こうした丈夫さの秘密は、太陽電池モジュールが開発された背景にあります。元々太陽光発電は、灯台や人工衛星など、メンテナンスが困難な設備用の電源として設計されました。そのため、保守や修理は最小限で留められる作りになっています。
しかし、太陽光発電は1993年に国内で実用化されて以来、まだ歴史が浅く、サンプル数が少ないのが現状。法定耐用年数は17年と定められているほか、メーカーによっては保証期間を25年間と決めているところもあります。正確な寿命に関しては、今後分析が進んでいくと思われます。
周辺機器は10年を目安に点検を
太陽電池モジュール以外の周辺機器については、使用期限の目安が設けられているものもあります。その1つが、太陽電池モジュールが生み出した電気を家庭用に変換する「パワーコンディショナ」。その寿命はおよそ10〜15年と言われています。発電効率を維持して使うためには、設置後10年を目処に点検を行ってください。取り替え費用としては、およそ20〜30万円程度だと言われていますが、今後太陽光発電の普及率がさらに向上すると、負担も軽減されていく可能性もあります。
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高い発電効率を維持するために定期点検を
太陽電池モジュールも丈夫で長寿命とはいえ、「全く故障する可能性がない」とは言い切れないのが現実。
雹や落雷、台風による飛来物によって発電不良になるほか、鳥の巣や糞、ごみやほこりなどが太陽電池モジュールの表面に付着することで発電効率が数%低下することもあります。
ごみやほこりなどの汚れに関しては風で吹き飛ばされたり、雨で洗い流されたりすることによって、ほぼ元の数値まで戻ることも多いですが、なかなか数値が戻らないときは要注意。落雷によって配線がダメージを受けていたり、自動車の排気による油分を含んだ汚れが付着してなかなか落ちなかったりと、発電効率がなかなか改善されないこともあります。
しかしその際にご自身でなんとか出来ないかと試みるのは止めましょう。
屋根に上ると滑落や転落など思わぬ大けがにつながり最悪の場合、命を落とします。
かといって遠くから水道水を掛けるのもお勧めしません。水道水に含まれるミネラル成分(カルキ)が白く残り、お風呂場やキッチンなど水回りの白い汚れのように蓄積され発電効率を下げてしまうからです。
気になる場合は何年かに一度、専門業者による点検をお願いしましょう。
まとめ
丈夫で長寿命の太陽光発電。故障のリスクが少ないとは言え、天災やしつこい汚れなどによって気づかないうちに発電効率が下がってしまうこともあります。太陽光発電を導入した際は是非、性能の高さを維持するために定期的な点検をご検討ください。